ISO21675を用いたPFAS分析

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技術紹介

PFASとは

有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、数千種類以上の物質があるとされています。
PFAS には炭素鎖の長さが異なる複数の同族体が存在し、その物性は炭素鎖の長さで大きく異なりますが、中には撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、そのような物質は撥水・撥油剤、界面活性剤、半導体用反射防止剤等の幅広い用途で使用されています。

規制等の状況

「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」においては、PFASのうち、有害性が指摘されているパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)を規制の対象としています。同条約に基づき日本においても「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に基づき製造・輸入が原則禁止となっています。複雑な化学物質群であるPFASの使用制限は現在も進められており、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)も条約に追加されることが決定し、今後も規制対象化合物数は増加すると考えられています。
また最近になってEUにおける化学品規則であるREACH規則の対象にPFASを加えようとする動きがあります。加盟国が国内法を定めて国ごとに運用するELV指令やRoHS指令とは異なり、REACH規則はEUの加盟国にそのまま適用される共通の規則です。
REACH規則の対象になると、部品や素材などを日本国内で製造し、そのもの自体をEU域内へ輸出していない事業者であっても、それらを利用する完成製品がEUへ輸出される場合には、REACH規則への対応が必要になる可能性があります。

ISO21675とは

ISO21675は国立研究開発法人産業技術総合研究所が開発した国際標準規格で、幅広い測定対象水および化合物に対応し低濃度(0.2ng/ℓ)まで測定可能です。
弊社は国立研究開発法人産業技術総合研究所における技術研修にてISO21675の分析メソッドを習得しました。

分析対象物質(30項目)

PFBS、PFHxS、PFHpS、PFOS、PFDS、FOSA、N-MeFOSA、N-EtFOSA、N-MeFOSAA、N-EtFOSAA、6:2FTSA、8:2FTSA、9Cl-PF3ONS、PFBA、PFPeA、PFHxA、PFHpA、PFOA、PFNA、PFDA、PFUnDA、PFDoDA、PFTrDA、PFTeDA、PFHxDA、PFOcDA、8:2FTUCA、8:2diPAP、HFPO-DA、DONA
※PFOS/PFOA異性体等、リスト以外の物質についてもご相談ください

東京久栄の考えるPFAS管理方法

国際標準規格であるISO21675分析法を用いる手法では、主要成分のほかに副生成分を低濃度まで測定し、そのマスバランスを把握することができます。

■ 汚染状況の把握
発生源と水系等から地下水経由の物質の動きを把握することで、汚染の広がりを推定することができます。
その上で実際に試料を採取して分析することで、実際の汚染状況を把握することになります。

■ 環境修復効果の確認
現在様々な機関で開発中のPFAS汚染対策技術について、その効果をISO21675による分析で確認することができます。

今後はPFAS対策技術コンソーシアム参加団体と連携を図ることで「拡張ISO21675による75種類のPFAS一斉分析」、「PFAS発生源推定に繋がるマスバランス解析技術」、「1 ng以下のフッ素測定によるREACH/RoHS/ECHA対応」等新技術への取り組みも検討しております。
様々な業界ニーズに対して柔軟に対応できるよう取り組んで参ります。

東京久栄のPFAS問題への取り組み

■ PFAS対策技術コンソーシアム 参加
<https://unit.aist.go.jp/mcml/rg-org/pfasconsortium.html>

■ 環境研究総合推進費「ペルフルオロアルキル化合物「群」のマルチメディア迅速計測技術と環境修復材料の開発」 参加

■ 国立研究開発法人産業技術総合研究所/技術研修(ISO21675を用いたPFAS分析技術の取得) 参加

■ 国立研究開発法人産業技術総合研究所/沖縄県環境試料採集作業(令和4年度)

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